第2段・①―9『だしの取り方(引き方)、合わせ』そば美学の伝道師
【そば打ちと日本料理の職人養成所】
『だしの取り方(引き方)、合わせ方』
だしの取り方(引き方)、合わせ方は、
日本料理からすると真逆の仕事になります。
【日本料理】
- 日本料理のだしの取り方は、お湯の4%以上
は入れない・・・嫌な味になるからです。
- 沸騰したお湯に投入し直ぐに火をとめます
・・・沈んだら、漉します(分離)
- 長く煮てはいけません・・・香りは無くなり、
嫌な味が出てしまうからです。
【蕎麦店】
- 蕎麦店ではお湯の量の5~8%に相当する
鰹節を入れます。
- 30分から2時間程煮続けて出汁を引きます。
- 鰹節の削り厚さ・0.5mm~1mm以上の厚さで、
「花かつお」とは大きな違いです。
昔風の仕事をする「うどん店」は、30分
くらいは煮詰めて出汁を取るといいます。
日本料理のように短時間で取る出汁は、
「吸い物だし」の香りを楽しむ方法です。
- 濃い出汁は醤油を甘くします、コクを出す
これが蕎麦の出し汁の味です。
- 蕎麦湯を差して美味しく飲めるようにする
には、この方法なのです。
- 標準的には45分、長い所では2時間程に
詰めて出汁を取りますから少量では干し
上がってしまい出汁は取れません。
少量でも10ℓから40ℓも取り、水分の蒸発率は
20~60%も飛ばします。
この様な「出汁」は素人には難しいでしょう。
だから「蕎麦店の蕎麦つゆ」は美味しい
のでしょう!!!
【コラム】
- 最近は薄い出汁が多いと思いますが、蕎麦を
ドップリと浸けて食べる人が多いからでしょうか?
- 濃い蕎麦汁の美味しさは、江戸っ子と
呼ばれる人でしょうか?
- 出汁の濃度が足りないとき、濃い汁にしたい
ときは砂糖を加える方法がありますが、
湯桶を差すと砂糖の甘味が出てしまいます。
- かえしを入れ過ぎて辛いときは、味醂を
いれて調整する方法もあります。
- 東京の老舗と呼ばれる蕎麦店では、蕎麦よりも
【蕎麦汁】に命を懸けていると云えます。
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信州そば手打専科・実留アカデミー
そば打ちと日本料理の職人養成所
専任講師・丸山実留